FXの自動売買用EAを選択する際は、バックテストとフォワードテストの確認が重要になってきます。
本記事では、バックテストやフォワードテストとは何なのか、テスト結果を見るときの注意点について解説します。
EAのバックテストと注意点
EAのバックテストとは、過去の相場データを使って自動売買のEAを稼働させ、売買結果を確認するものです。
具体的には、バックテストをする際には、過去の相場データをEAに入力し、EAがトレードを行ったと仮定して、その結果を確認します。
その結果をもとに、EAのパフォーマンスを評価し、必要に応じて戦略を改善することができます。
バックテストを行うことによって、EAがどの程度の勝率を持ち、どの程度のリターンを得られるか、どのようなリスクがあるかなどを把握することができます。
また、バックテストを繰り返すことによって、EAのパラメーターを最適化することができます。
ただし、バックテストには限界があります。
バックテストに使用されるデータは過去のものであり、現在の相場環境に完全に一致するわけではありません。
そのため、バックテストの結果は将来のパフォーマンスを保証するものではありません。
フォワードテストやリアルトレードでの検証も必要です。
EAのフォワードテストと注意点
EAのフォワードテストとは、実際の相場環境でEAのトレードをシミュレーションすることです。
バックテストと異なり、過去の相場データを使用せずに、現在進行中の相場環境でEAのパフォーマンスを確認することができます。
フォワードテストは、リアルトレードに最も近い形でEAのパフォーマンスを確認することができるため、EAの妥当性を確認する上で非常に重要な手段です。
EAのバックテストで見つけた問題点や改善点を修正した上で、フォワードテストを行うことによって、EAのパフォーマンスを改善することができます。
ただし、フォワードテストにはいくつかの注意点があります。
まず、リアルトレードと同様に、相場環境が変化することによって、EAのパフォーマンスが変化する可能性があります。
また、フォワードテストを行う際には、十分な期間を確保し、複数の相場環境でのテストを行うことが重要です。
さらに、フォワードテストの結果は、リアルトレードと完全に一致するわけではないため、リスクマネジメントの観点からも注意が必要です。
バックテストやフォワードテストの結果を見るときに特に注意すべき点
バックテストやフォワードテストの結果で一見利益を生み続けそうなEAでも、いざ稼働させるとマイナスになる一方ということがあります。
このようにならないために、バックテストやフォワードテストの結果を見るときは、次の点に注意しましょう。
- バックテスト期間
バックテストに使用された期間が長すぎる場合、過去の相場環境と現在の相場環境が大きく異なることがあります。
一方で、期間が短すぎる場合は、EAのパフォーマンスが過剰に評価されてしまう可能性があります。
直近2~3年程度のバックテストの結果を見るのがよいでしょう。 - バックテスト品質
バックテスト品質が低い場合、信頼性の高い結果を得ることができません。特に品質がN/Aとなっている場合は信用することができません。
バックテスト結果を見るときは、品質が90%前後になっていることを確認するようにしましょう。
バックテスト品質を高めるためには、ティックデータ(すべての値の変化を用いたデータ)を使用することが重要です。
よくあるのが、バックテストを行うときに、時間を短縮するために始値と終値のみでテストを行っているパターンです。
これでは、実際に稼働させたときに上手く利益を生み出さないということがあります。
できる限り時間をかけて、全ての値の変化を元にバックテストを行いましょう。 - スリッページや手数料
EAのバックテスト結果には、スリッページや手数料を考慮する必要があります。
これらの費用は、トレードの収益に大きな影響を与えるため、十分な調査が必要です。
これも、実際に稼働させると上手く利益にならない原因になることがあります。
スリッページや手数料を反映したバックテスト結果を見るようにしましょう。 - 最大ドローダウン
EAの最大ドローダウンは、トレードのリスクを理解するために非常に重要です。
過去のドローダウンが大きかった場合、リスクを抑えるために適切なリスクマネジメントが必要です。
用意できそうな自己資金に対し、最大ドローダウンが証拠金内に充分に収まっているかを確認しましょう。
まとめ
EAを購入する際には、必ずバックテストやフォワードテストを確認しましょう。
バックテストやフォワードテストで上手く利益を生み出せていないものは、この先も利益を生み出さない可能性があります。
かと言って、過去のパフォーマンスは、将来のパフォーマンスを保証するものではありません。
あくまで購入する際の参考程度にするようにしましょう。